「大国」日本の防衛政策――防衛大綱に至る過程 1968~1976年

真田尚剛 著
ISBN:978-4-905497-92-9、 A5判上製、380頁、本体価格4,500円、2021年刊

戦後日本の防衛政策はいかに形作られたか。
1950年代から始まる数次の防衛力整備計画を「防衛力再建」の過程と捉えてつぶさに観察し、二度の安保騒動や北朝鮮帰国事業、尖閣諸島問題への防衛庁・自衛隊の対応にも触れつつ、歴史的文脈から1976年決定の「防衛計画の大綱」を捉える。


【著者】真田尚剛(さなだ・なおたか)
1983年、北海道生まれ。駒澤大学法学部政治学科卒業、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士後期課程修了。博士(社会デザイン学)。
立教大学社会デザイン研究所研究員、桜美林大学リベラルアーツ学群非常勤講師、明星大学通信教育部非常勤講師。
〔主要業績〕論文に、「防衛官僚・久保卓也とその安全保障構想――その先見性と背景」(河野康子・渡邉昭夫編『安全保障政策と戦後日本 1972~1994――記憶と記録の中の日米安保』千倉書房、2016年)、共編書に、秋山昌廣著『元防衛事務次官秋山昌廣回顧録――冷戦後の安全保障と防衛交流』(吉田書店、2018年)など。


【目 次】
序論 戦後日本と防衛力
第1章 防衛力再建の過程 1950~1967年
 第1節 一次防と「国防の基本方針」
 第2節 二次防
 第3節 三次防
第2章 「自主防衛」論と防衛力整備計画の策定 1968~1971年
 第1節 日本の「大国化」
 第2節 四次防における整備の方向性
 第3節 四次防策定開始と新防衛力整備計画の登場
 第4節 防衛力整備計画の見直し論
第3章 整備計画の破綻 1971~1975年
 第1節 新防衛力整備計画の下方修正
 第2節 四次防の成立と政治的紛糾
 第3節 四次防破綻の震動
第4章 「防衛力の限界」論と防衛力構想 1971~1974年
 第1節 国内情勢の不安定化
 第2節 「大国化」と脱冷戦
 第3節 「防衛力の限界」論
 第4節 久保卓也による構想とその問題点
第5章 防衛大綱の成立 1974~1976年
 第1節 「常備すべき防衛力」構想
 第2節 第二次長官指示をめぐる攻防
 第3節 防衛力の整備内容
 第4節 防衛大綱の決定
結 論 動揺から調和へ
主要参考文献
あとがき


【書評・紹介】
第7回日本防衛学会猪木正道賞 奨励賞受賞≫