丸山眞男への道案内

都築勉 著
ISBN:978-4-905497-14-1、四六判上製、278頁、本体価格2,500円、2013年刊

1914年に生まれた「戦後日本を代表する知識人」丸山眞男。“戦後”を語る際には必ず登場……。政治学を専攻した人のみならず、誰もがその名に接しているのではないだろうか。1996年に亡くなったものの、著作集、講義録、書簡集等々が刊行され、誰もが丸山眞男の著作物にアクセスしやすくなっている。しかし、果たして我々はどれだけのことを知っているのだろうか。
2014年、生誕100年を迎えた丸山眞男――。
激動の20世紀を生き抜いた知識人・思想家の人、思想、学問を丹念に考察。
丸山の「生涯」を辿り、「著作」をよみ、「現代的意義」を考える三部構成。
「丸山眞男の魅力は非政治が政治を囲い込むところにある」(本書より)


【著者】都築 勉(つづき・つとむ)
信州大学経済学部教授。1952年東京生まれ。1978年東京大学法学部卒業。1985年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。信州大学教養部専任講師。1988年同助教授。1995年同経済学部助教授。1997年同教授。
著書に『戦後日本の知識人――丸山眞男とその時代』(世織書房、1995年)、『政治家の日本語』(平凡社新書、2004年)、『政治家の日本語力』(講談社+α文庫、2009年)など。


【目次】
第Ⅰ部 生涯
戦前編
 1 家庭環境
 2 一中、一高時代
 3 戦争と学問
 4 召集と敗戦
戦後編
 5 「超国家主義の論理と心理」
 6 平和問題談話会
 7 療養生活
 8 六〇年安保
 9 東大紛争
 10 復活の日々

第Ⅱ部 著作
1 『日本政治思想史研究』を読む
2 『現代政治の思想と行動』を読む
3 『戦中と戦後の間』を読む
4 『日本の思想』を読む
5 『忠誠と反逆』を読む
補論 『「文明論之概略」を読む』について

第Ⅲ部 現代的意義
 1 近代日本の評価について
 2 日本の戦争責任について
 3 日本社会の根本的変革について
 4 日本文化の型について
 5 学問をする喜びについて

略年譜
事項索引
人名索引


【書評・紹介】
●『信濃毎日新聞』(平成25年12月25日) 都築氏インタビュー
「…丸山さんは、政治をイデオロギーから切り離して現実的にとらえ、分析した。例えば外交問題でのっぴきならない対立があっても、共存する道を探る。そういう柔軟な思考で政治をとらえた。丸山さんの文章をおうむ返しにするのではなく、思考方法から学ぶことが大事だと思う」(都築勉氏)
●『北海道新聞』(平成25年9月29日)都築氏インタビュー
「戦後とは何だったのか、何を守っていくのかをもう一回、考えてみなければいけないとあらためて感じています――」(都築勉氏)
●共同通信配信書評『福島民報新聞』『福島民友新聞』(10月12日)『中国新聞』『秋田魁新聞』『北国新聞』『山梨日日新聞』『高知新聞(10月13日)『大阪日日新聞』『新潟日報』(10月20日)に掲載
「類書のなかでは最良のものに属する―」(評者:越智敏夫氏)

≪日本図書館協会選定図書≫第2880回 平成25年10月23日選定