21世紀デモクラシーの課題――意思決定構造の比較分析
佐々木毅 編
執筆者=成田憲彦、藤嶋亮、飯尾潤、池本大輔、安井宏樹、後房雄、野中尚人、廣瀬淳子
ISBN:978-4-905497-25-7、四六判上製、421頁、本体価格3,700円、2014年刊
政治はどこへ向かうのか。日米欧の統治システムを学界の第一人者が多角的に分析
【目次】
序 21世紀の民主政への展望――執政中枢をめぐる歴史的・政治的条件(佐々木 毅)
第Ⅰ部 統治システムをめぐる潮流
第1章 主要国の統治システム改革の潮流と日本の位相(成田憲彦)
はじめに
1 世界の統治システム改革の潮流
2 代表制民主主義の改革:選挙制度
3 代表制民主主義の改革:議会制度
4 トップリーダーをめぐる改革
5 日本の統治システム改革
おわりに
第2章 半大統領制の下位類型に関する一試論――ヨーロッパの事例を中心に(藤嶋 亮)
はじめに
1 半大統領制の下位類型
2 大統領の憲法権限の測定
3 測定結果と権限配置に基づく類型
おわりに
第Ⅱ部 意思決定構造の各国比較
第3章 日本:統治構造改革の到達点と課題(飯尾 潤)
はじめに
1 改革における世界的課題と国別の歴史的課題
2 平成の政治・行政改革における問題意識と制度改革への期待
3 権力主体の創造――政権交代可能な政党政治への転換
4 行政府を中心とする統治構造の集中化と並行的課題
5 統治構造改革に付け加えられるべき課題
おわりに
第4章 イギリス:中央集権型統治システムの動揺(池本大輔)
はじめに
1 ウェストミンスター・モデルの特徴とその変化
2 イギリス政治の大統領制化?
3 合意政治型への接近?
4 グローバル化と地域統合の挑戦
おわりに
第5章 ドイツ:「改革渋滞」と「21世紀型統治システム」(安井宏樹)
はじめに
1 内閣制度:「宰相民主主義」?
2 政府-与党関係:連立政権
3 政府-議会関係:分割政府
おわりに――ドイツにおける「21世紀型統治システム」の可能性
第6章 イタリア:「政権交代のある民主主義」プロジェクト――日本との比較のなかで(後 房雄)
はじめに
1 プロジェクトの原点
2 選挙制度改革のインパクト
3 統治制度改革の前進と挫折
4 パーソナル・パーティの台頭
5 プロジェクトの完成と進化に向けて
おわりに
第7章 フランス:第五共和制の「半大統領制」と「合理化された議会主義」――大統領・首相・議会と集権化された統治システム(野中尚人)
はじめに
1 第五共和制の大統領と首相――「半大統領制」と大統領・首相
2 政府の意思決定・政府-議会関係における首相の役割――「合理化された議会主義」と集権化された政府-議会関係
3 統治システムの変容と日本への含意――持続する変化とリバランス
おわりに
第8章 アメリカ:変革なき権力分立型統治システムの課題――オバマ政権1期目の事例から(廣瀬淳子)
はじめに
1 アメリカの政治的意思決定の特徴と変化
2 オバマ政権1期目における政治的意思決定の課題
3 共和党の課題――ティーパーティ系議員の政策影響力
おわりに――オバマ政権1期目の事例が示すアメリカの統治システムの課題
あとがき
人名索引
事項索引