ヨーロッパとはどこか――統合思想から読む2000年の歴史
中嶋洋平 著
ISBN:978-4-905497-27-1、四六判、324頁、本体価格2,400円、2015年刊
本書は、現代の諸問題の基礎であり背景であるヨーロッパ統合の深遠なる歴史性とともに、統合されるべきヨーロッパ世界の領域をめぐる歴史的な模索について、読者の方々に可能な限り体系的に伝えることを第一の目的とした(本書「おわりに」より)
【著者】中嶋洋平(なかしま・ようへい)
1980年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程単位取得退学。フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)政治研究系博士課程修了。政治学博士。現在、東洋大学ほか非常勤講師。専門は、政治思想史・ヨーロッパ統合思想史。
主な論文および訳書に、ドミニク・シュナペール『市民の共同体――国民という近代的概念について』(法政大学出版局(叢書・ウニベルシタス)、2015年、近刊)、「サン・シモン思想におけるヨーロッパ社会の「領域的限界」」(『KEIO SFC Journal』Vol.11 No.1、2011年)、「来るべき「欧州連邦」――その歴史性と現在」(『KEIO SFC Journal』Vol.7 No.1(総合政策学特別号)、2007年)など。
【目 次】
序 章 ヨーロッパとはどこか?
1 問われているもの
2 すべては人間の意志によるもの
3 さまざまな思想、さまざまな手段
第1章 [中世〜近世]ヨーロッパ統合の始まり
1 ヨーロッパ世界の創出と自律
2 キリスト教のヨーロッパ
3 諸国家分立へ向かうヨーロッパと統合ヴィジョン
第2章 [近世〜近代]ヨーロッパ統合の夢と現実と
1 主権国家の出現と国際秩序
2 コスモポリタニズムとヨーロッパ統合
3 諸国民の権利をめぐって
第3章 [近代〜現代]ヨーロッパ統合の実践へ
1 「一つのヨーロッパ」をめぐって
2 ヨーロッパの破滅、そして統合への模索
3 政治統合か経済統合か
終 章 ヨーロッパはどこへ向かうか
おわりに
略年表
事項索引
人名索引
【書評・紹介】
●『みずず』(2016年1・2月号)
●『エコノミスト』(2015年5月19日)
●『聖教新聞』(2015年5月23日)「一つのヨーロッパをあぶり出すとともに、2000年の歴史そのものを描き切る労作だ。」
●『外交』(2015年9月号)