司祭平服(スータン)と癩(らい)菌――岩下壮一の生涯と救癩思想

輪倉一広 著
ISBN:978-4-905497-30-1、四六判上製、409頁、本体価格3,100円、2015年刊

 

キリスト教思想史家でありハンセン病患者の福祉に尽力した、カトリック司祭・岩下壮一(1889-1940)の生涯と思想に多面的に迫る意欲作。


【著者】輪倉一広(わくら・かずひろ)
福井県立大学教授。1960年、新潟県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程(人文学専攻)修了。博士(文学)。専門は福祉思想史。論文に、「カトリック救癩史の一断面――岩下壮一における患者観の形成の視点から」(『宗教研究』第356号、2008年)、「ふたりの宗教家にみる〈救癩〉の主題化と倫理」(『宗教研究』第376号、2013年)


【目 次】
第Ⅰ部 岩下壮一の生涯と思想形成
第1章 「自分の務めを完全にまっとうしさえすれば、それでいい」
――出生から欧州での司祭叙階まで 
第2章 「哲学することが何の役に立とう」
――欧州からの帰朝以後、救癩活動の中頃まで
第3章 「呻吟こそがもっとも深い哲学を要求するさけび」
――救癩活動の中頃から晩年にかけて

第Ⅱ部 岩下壮一の救癩思想
序章 岩下壮一の救癩思想を検討する上での視座と前提
第1章 戦前におけるわが国の癩対策の変遷とカトリック救癩事業の意義
第2章 岩下壮一による救癩事業改革の実際と思想
第3章 岩下壮一における権威性と民衆性
第4章 岩下壮一の実践思想――指導性とその限界
第5章 岩下壮一における患者観の形成
終章 岩下研究と救癩史研究の思想史的「総合」――救癩思想史試論

参考文献一覧
岩下壮一関係略年譜
あとがき
初出一覧


【書評・紹介】
●『社会福祉学』第56巻3号(2015年)
●『宗教研究』96巻(2016年)
●『社会事業史研究』49号(2016年3月)
●『宗教と社会』 Vol.22(2016年6月)