国家の歴史社会学〈再定訳版〉
Sociologie de l'état

B・バディ/P・ビルンボーム 著 小山勉/中野裕二 訳
ISBN:978-4-905497-32-5、四六判並製、318頁、本体価格2,700円、2015年刊

  Étatとは何か
歴史学と社会学の絶えざる対話の成果―― 国民国家研究の基本書

【著者】
ベルトラン・バディ(Bertrand Badie)
1950年生まれ。専門は国際関係論。現在,パリ政治学院教授,国際関係研究所(CERI)所属。2006~2009年には世界政治学会(IPSA)の副会長も務めた。

ピエール・ビルンボーム(Pierre Birnbaum)
1940年生まれ。専門は政治社会学,フランス近代史。パリ第1大学政治学とパリ政治学院で教授を務めながら,ニューヨーク大学やコロンビア大学でも教え,現在,パリ第1大学名誉教授。

【訳者】
小山勉(おやま・つとむ)
1936年生まれ。新潟大学法学部教授,九州大学法学部教授ののち福岡大学法学部教授。2006年没。

中野裕二(なかの・ゆうじ)
1963年生まれ。現在,駒澤大学法学部教授。専門は政治社会学。『フランス国家とマイノリティ』(国際書院,1996年),『来るべき〈民主主義〉』(共著,藤原書店,2003年),『移民の社会的統合と排除』(共著,東京大学出版会,2009年),『排外主義を問いなおす』(共編著,勁草書房,2015年予定)など。


【目 次】
訳者まえがき
凡例
第2版への序文

序 論

第Ⅰ部 社会学理論における国家

第1章 古典社会学の直観
第1節 マルクスの思想と2つの国家論
第2節 デュルケム:分業と国家
第3節 ウェーバー:国家と西欧的合理性

第2章 現代の支配的社会学の挫折
第1節 新しい国家観
1 国家と合理化
2 国家の一般化
第2節 支配的モデル批判に向けて
1 分化社会学批判
2 単線的発展説批判

第Ⅱ部 国家・社会・歴史

第1章 国家・分業・資本主義
第2章 国家と社会構造
第3章 国家・文化・分離
第4章 国家の伝播:ヨーロッパから従属社会へ

第Ⅲ部 現代社会における国家・中心・権力

第1章 国家による統治:官僚制をもった権力
第1節 国家のモデル:フランス
第2節 国家の制度化の未完成:プロシア
第2章 市民社会による統治:官僚制の弱さ
第1節 低国家化のモデル:イギリス
第2節 アメリカの場合
第3節 国家と多極共存型民主主義

結 論

解 説(小山勉)
補論1(ベルトラン・バディ)
補論2(ピエール・ビルンボーム)
訳者あとがき
事項索引
人名索引


【書評・紹介】
●『日仏政治研究』第10号(2016年3月)、評者:稲永祐介氏・大阪市立大学研究員