連邦国家ベルギー――繰り返される分裂危機

松尾秀哉 著
ISBN:978-4-905497-33-2、四六判上製、220頁、本体価格2,000円、2015年刊

「ヨーロッパの縮図」ベルギーを多角的に分析。政治危機の要因は何か――。
【著者】松尾秀哉(まつお・ひでや)

1965年愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、東邦ガス株式会社、株式会社東海メディカルプロダクツ勤務等を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。聖学院大学政治経済学部准教授等を経て2014年4月より北海学園大学法学部教授。
主著に、『ベルギー分裂危機――その政治的起源』(明石書店、2010年)、『物語 ベルギーの歴史』(中公新書、2014年)、『紛争と和解の政治学』(共編、ナカニシヤ出版、2013年)、『模索する政治――代表制民主主義と福祉国家のゆくえ』(共著、ナカニシヤ出版、2011年)など。


【目 次】
はじめに なぜベルギーか
1 「ヨーロッパの十字路」から「ヨーロッパの縮図」へ
2 「ヨーロッパの縮図」ベルギーの連邦化
3 「ヨーロッパの縮図」の分裂危機
4 なぜベルギー危機か─欧州危機の縮図
5 なぜ分裂しなかったのか
6 本書の構成

第1 章 連邦国家ベルギーの輪郭
1 ベルギーの連邦制度
2 連邦制導入の道程
3 分裂危機
4 ベルギーの政治制度の特徴
5 主要政党

第2章 どのように交渉過程を分析するか
1 先行研究の検討
2 分析枠組みの検討

第3 章 1990年代のベルギーの政治
1 冷戦終結後の新政党の台頭
2 ベルギー政治社会の動揺と政治不信
3 自由党の党改革
4 カトリック政党の党改革
5 改革のイムパクト─野党転落
6 野党転落後─地域主義者と連携するカトリック党
7 小括─ベルギー社会の不安定化と主要政党の地域主義化

第4 章 2007年分裂危機
1 2007年分裂危機
2 考察

第5 章 2010年政治危機
1 2010年分裂危機
2 考察

考察と結論
1 結論─分裂危機はなぜか
2 その後のベルギー─柱の自己破壊か,再生産か
3  エピローグ─ 2014年₅5月選挙の衝撃 多層化国家のさらなる混迷?

参考文献
事項索引
人名索引