ジャン・ジョレス 1859-1914――正義と平和を求めたフランスの社会主義者
ヴァンサン・デュクレール 著 大嶋厚 訳
ISBN:978-4-905497-36-3、四六判上製、320頁、本体価格3,900円、2015年刊
「フランス社会主義の父」の生涯を丹念に追う労作。
【著者】ヴァンサン・デュクレール(Vincent Duclert)
1961年生まれ。歴史家。現代フランス政治史を専門とし、特にドレフュス事件と第三共和制の研究で知られる。パリ第1大学(パンテオン・ソルボンヌ)で博士号を取得。パリ第10大学(ナンテール)講師、国立行政学院(ENA)准教授、米コロンビア大学客員教授(プログラム・イン・パリ)、社会科学高等研究院(EHESS)教員などを経て、現在はEHESSレイモン・アロン社会学・政治学研究所研究員。2013年4月から、教育省上級視学官。ジョレス研究協会理事、「カイエ・ジョレス」編集委員会委員を務め、またアルマン・コラン社の「新歴史的伝記叢書」(Nouvelles biographies historiques)責任者でもある。
主要著書に『アルフレッド・ドレフュス-ある愛国者の名誉』(Alfred Dreyfus : L'honneur d'un patriote, Fayard, 2006, 同年ジャン=ミシェル・ガイヤール賞受賞)、『ジャン・ジョレス』(Jean Jaurès, Fayard, 2014, ジル・カンダールと共著、2014年度アカデミー・フランセーズ伝記賞受賞)、『ジョレスと共和国』(Jaurès, la République, Privat, 2014、共和国をテーマとしたジョレスの新聞記事、演説等の選集)、『フランスとアルメニア人大虐殺』(La France face au génocide des Arméniens, Fayard, 2015)などがある。
【訳者】大嶋 厚(おおしま・あつし)
1955年東京生まれ。上智大学大学院博士前期課程修了。国際交流基金に勤務し、在ベルギー日本大使館文化担当官などを経て、パリ日本文化会館設立に携わり、同会館総務部長、副館長を務める。訳書にミシェル・ヴィノック著『フランスの肖像――歴史、政治、思想』(吉田書店、2014年)。
【目次】
第Ⅰ部 歴史の中のジョレス
第1章 想像世界の持つ力
第2章 生きたジョレスのイメージ
第3章 伝説と栄光
第4章 歴史を記述する
第Ⅱ部 ジョレスの物語
第5章 共和主義者、愛国者にして批判者の誕生
第6章 社会問題から社会主義へ
第7章 一人の知識人・市民として――世紀の変わり目で
第8章 社会主義と戦争
結論――倫理的な政治のために
訳者解説
原注
略年譜
【書評・紹介】
●『ふらんす』(2016年2月号)
「……本書を読み、ジョレスの言葉と生きざまに触れると、真実と正義を求める態度は現実に作用すると希望が持てる。……」(伊達聖伸氏・上智大学准教授)