佐藤栄作最後の密使――日中交渉秘史

宮川徹志 著
ISBN:978-4-905497-85-1、 四六判上製、368頁、本体価格2,900円、2020年刊

1972年、田中角栄によって実現した日中国交正常化。「99%までは、佐藤栄作の手で解決済みであった――」
謎の言葉を残して戦後史の闇に消えた、密使・江鬮眞比古(えぐち・まひこ)の実像に迫る!NHK・BS1スペシャル「日中“密使外交”の全貌」から更に3年間の取材の成果と、総理秘書官の日記・メモなども収録。


【著者】宮川徹志(みやがわ・てつじ)
1970年生まれ。NHKチーフ・ディレクター。
1993年に東京大学法学部卒業後、NHK入局。NHKスペシャルなどの報道番組を制作。主な番組は「密使 若泉敬 沖縄返還の代償」(2010 年文化庁芸術祭テレビ部門大賞受賞)、「巨大津波 “いのち”をどう守るのか」(2012年アメリカ・ピーボディ賞、橋田賞など受賞)、「総理秘書官が見た沖縄返還~発掘資料が語る内幕~」(2015年)、「日本人と天皇」(2019年)など。
著書に『僕は沖縄を取り戻したい――異色の外交官・千葉一夫』(岩波書店、2017年)、共著書に『沖縄返還の代償――核と基地 密使・若泉敬の苦悩』(光文社、2012年)。


【目 次】
第一章 江鬮眞比古の手記
第二章 戦前・戦後の江鬮の足跡
第三章 萬煕と中川太郎――江鬮の中国人脈
第四章 中国国連加盟の裏側で始まった交渉
第五章 周恩来への親書を託した人物――「葉桐春」と「黄志文」の謎
第六章 最後に残された条件 〝日華平和条約の破棄〟
第七章 次期政権をめぐる政局――親書をためらう佐藤
第八章 膠着状態のなかで
第九章 極秘交渉の結末
終 章 残された疑問
エピローグ 江鬮眞比古とは何者だったのか

付録 佐藤親書
資料 「西垣昭日記」


【書評・紹介】
●『東京新聞』(2020年6月6日)、評者:御厨貴氏・政治学者
●『日本経済新聞』(2020年5月30日)、評者:川島真氏・東京大学教授
●『毎日新聞』(2020年5月16日)、著者インタビュー掲載
●『週刊エコノミスト』(2020年6月9日号)
●『月刊ガバナンス』(2020年6月号)、評者:清水真人氏・日本経済新聞社編集委員