戦後をつくる――追憶から希望への透視図
御厨貴 著
ISBN:978-4-905497-42-4、四六判上製、410頁、本体価格3,200円、2016年刊
“疾走する政治史家”による戦後史論集
私たちはどんな時代をつくってきたのか。戦後70年を振り返ることで見えてくる日本の姿。
1951(昭和26)年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学客員研究員、東京都立大学教授、政策研究大学院大学教授、東京大学教授などを経て、東京大学名誉教授・放送大学教授・青山学院大学特別招聘教授。専門は政治史、オーラル・ヒストリー、公共政策、建築と政治。著書に『政策の総合と権力』(東京大学出版会、サントリー学芸賞受賞)、『馬場恒吾の面目』(中公文庫、吉野作造賞受賞)、『知の格闘』(ちくま新書)、『政治の眼力』(文春新書)など多数。TBSテレビ「時事放談」の司会も務める。
【目次】
序章 戦後70年から、戦後50年を振り返る
(原題「議会と政党の移り変わり」『中央公論』2002年9月号)
第1章 「憲法」をつくる、「五五年体制をつくる」
(原題「帝国日本の解体と民主日本の形成」『占領と改革』岩波書店、1995年)
第2章 「処」をつくる
(原題「解題」、総合研究開発機構・戦後経済政策資料研究会編『経済安定本部 戦後経済政策資料 第34巻「建設」(1)』日本経済評論社、1995年)
第3章 「国土計画」をつくる
(原題「国土計画と開発政治――日本列島改造と高度成長の時代」『政治学会年報1995』)
第4章 「列島改造」をつくる
(原題「田中角栄――開発政治の到達点」『戦後日本の宰相たち』中央公論社、1995年。2001年に文庫化)
第5章 「機振法」をつくる
(原題「機振法イメージの政治史的意味――新しい産業政策の実像と虚像」北岡伸一・御厨貴編『戦争・復興・発展』東京大学出版会、2000年。その後、尾高煌之助・松島茂編『幻の作業政策 機振法――実証分析とオーラルヒストリーによる解明』日本経済新聞社、2013年にも同題名で所収)
第6章 「栄典体系」をつくる
(原題「飽和点に達した栄典制度」「座談会 勲章――大虚礼時代到来の前に」『中央公論』1990年3月号)
第7章 「ハイカルチャー」をつくる
(原題「軽井沢はハイカルチャーか」『近代日本文化論3 ハイカルチャー』岩波書店、2000年)
第8章 「復興計画」をつくる
(原題「危機管理コミッティとしての復興委員会――『同時進行』オーラルの『ファイル』をめぐって」木村汎編『国際危機学――危機管理と予防外交』世界思想社、2002年)
第9章 「政党」をつくる
(原題「昭和20年代における第二保守党の軌跡――『芦田日記』『重光日記』にみる芦田・重光・三木」『年報近代日本研究』1987年。なお、補論は、「「芦田均日記」に見る“首相”の心理的葛藤のドラマ」『通産ジャーナル』1987年2月号)
終章 戦後70年のむこうに何が見えるか
(原題「「脱占領・戦後体制」めざす動き本格化――この挑戦をどう受け止めるかが問われる」『Journalism』2015年1月号)
【書評・紹介】
●『外交』(2016年3月号)