世界正義の時代――格差削減をあきらめない
Pour une planète équitable:L'urgence d'une justice globale
マリー・ドゥリュ=ベラ(Marie Duru-Bellat) 著
林昌宏 訳
解題「グローバル正義論に関する覚書」:井上彰(東京大学准教授)
ISBN:978-4-905497-46-2、四六判並製、200頁、本体価格:2,300円、2017年刊
今こそ、世界正義について語ろう! グローバリゼーションと格差の関係を探求する。
格差の何が問題なのか、極貧、世界格差、環境破壊にどう立ち向かうべきか、
「正義」を軸に考察する。巻末には、気鋭の政治哲学者・井上彰氏による解題を付す。
【著者】マリー・ドゥリュ=ベラ(Marie Duru-Bellat)
1950年生まれ。パリ政治学院名誉教授。専門は、社会学(とくに教育と社会階層)。著書に、Les inégalités sociales à l’école : genèse et mythes, Paris, PUF, 2002;L’inflation scolaire. Les désillusions de la méritocratie. Paris, Seuil, 2006(『フランスの学歴インフレと格差社会―能力主義という幻想』(林昌宏訳、明石書店、2007年)などがある。
【訳者】 林 昌宏(はやし・まさひろ)
1965年生まれ。立命館大学経済学部卒業。翻訳家として多くの話題作を提供。
訳書に、ボリス・シリュルニク『憎むのでもなく、許すのでもなく――ユダヤ人一斉検挙の夜』、同『心のレジリエンス――物語としての告白』(ともに吉田書店)、ジャック・アタリ『アタリ文明論講義――未来は予測できるか』(ちくま学芸文庫)、同『21世紀の歴史』(作品社)ベルトラン・ジョルダン『自閉症遺伝子』(中央公論新社)、G・エスピン・アンデルセン『アンデルセン、福祉を語る』(NTT出版)など多数。
【解題執筆者】 井上 彰(いのうえ・あきら)
1975年生まれ
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学、オーストラリア国立大学大学院社会科学研究校哲学科博士課程修了、PhD (Philosophy)
著書に、『正義・平等・責任――平等主義的正義論の新たなる展開』(岩波書店、2017年近刊)、『政治理論とは何か』(共編著、風行社、2014年)、『実践する政治哲学』(共編著、ナカニシヤ出版、2012年)など。
1950年生まれ。パリ政治学院名誉教授。専門は、社会学(とくに教育と社会階層)。著書に、Les inégalités sociales à l’école : genèse et mythes, Paris, PUF, 2002;L’inflation scolaire. Les désillusions de la méritocratie. Paris, Seuil, 2006(『フランスの学歴インフレと格差社会―能力主義という幻想』(林昌宏訳、明石書店、2007年)などがある。
【訳者】 林 昌宏(はやし・まさひろ)
1965年生まれ。立命館大学経済学部卒業。翻訳家として多くの話題作を提供。
訳書に、ボリス・シリュルニク『憎むのでもなく、許すのでもなく――ユダヤ人一斉検挙の夜』、同『心のレジリエンス――物語としての告白』(ともに吉田書店)、ジャック・アタリ『アタリ文明論講義――未来は予測できるか』(ちくま学芸文庫)、同『21世紀の歴史』(作品社)ベルトラン・ジョルダン『自閉症遺伝子』(中央公論新社)、G・エスピン・アンデルセン『アンデルセン、福祉を語る』(NTT出版)など多数。
【解題執筆者】 井上 彰(いのうえ・あきら)
1975年生まれ
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程単位取得退学、オーストラリア国立大学大学院社会科学研究校哲学科博士課程修了、PhD (Philosophy)
著書に、『正義・平等・責任――平等主義的正義論の新たなる展開』(岩波書店、2017年近刊)、『政治理論とは何か』(共編著、風行社、2014年)、『実践する政治哲学』(共編著、ナカニシヤ出版、2012年)など。
【目次】
イントロダクション
第一章 世界格差の根幹と広がり
貧困の概念
正義原則なしに、格差は計測できない
格差の推移に関する視点
グローバリゼーションの役割
市場と政治の狭間にあるグローバリゼーション
有限な世界での相互依存
第二章 グローバルな格差は倫理面だけに関する問題なのか
正義を行使するのは国だ:「国家主義者」
グローバルな正義:「コスモポリティシャン」
「コスモポリティズム」について考える
人権の問題
多元論的コスモポリティズム
第三章 われわれを脅かす格差
社会的団結と揺り動かされる民主主義
幸福に反する格差
格差の危機
足かせをはめられた経済成長
地球に対する脅威
容認できない格差
第四章 より公正な世界に向けて
途上国の経済成長、先進国の衰退
制度的な制御と市民の参加
どの分野に介入するのか
誰をどのように説得するのか
結論 地球を共有する
解題:「グローバル正義論に関する覚書」(井上彰)
訳者あとがき
主要人名索引