明治史論集――書くことと読むこと
御厨貴 著
ISBN:978-4-905497-50-9、四六判上製、586頁、本体価格4,200円、2017年刊
「実証」と「物語」の間。名論文「大久保没後体制」をはじめとする単行本未収録作品で、御厨政治史学の原型を探る――。
東京大学先端科学技術研究センター客員教授(名誉教授)。
1951(昭和26)年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学客員研究員、東京都立大学教授、政策研究大学院大学教授、東京大学教授、放送大学教授、青山学院大学特任教授などを歴任。博士(学術、東京大学)。専門は日本政治史、オーラル・ヒストリー、公共政策、建築と政治。
著書に『政策の総合と権力』(東京大学出版会、サントリー学芸賞受賞)、『馬場恒吾の面目』(中公文庫、吉野作造賞受賞)、『権力の館を歩く』(ちくま文庫)、『知の格闘』(ちくま新書)、『政治の眼力』(文春新書)、『戦前史のダイナミズム』(放送大学叢書、左右社)など多数。
サントリーホールディングス(株)の取締役、TBSテレビ「時事放談」の司会も務める。
北海道大学大学院法学研究科准教授。
1985(昭和60)年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。
専門は日本政治史。著書に『全国政治の始動――帝国議会開設後の明治国家』(東京大学出版会、2016年)がある。
目次(【 】内は初出)
序 明治は遠くになりにけり 【書き下ろし】
第Ⅰ部 明治史を書く――論文編
序 章 明治がつくった20世紀日本 【放送大学テキスト『日本政治史』(2003)の第1章~第3章】
第1章 大久保没後体制――統治機構改革と財政転換 【『年報 近代日本研究 3 幕末・維新の日本』1981】
第2章 地方制度改革と民権運動の展開 【『日本歴史大系 第4巻 近代Ⅰ』1987】
第3章 一四年政変と基本路線の確定 【同上、1987】
第4章 東京市区改正の政治史 【東京都立大学事務局調査課編『東京を考える その2』1984】
第5章 地方自治をつくる
1 東京統治事始――芳川顕正・星亨・田口卯吉 【『研修とうきょう』第6号、1986】
2 地方の時代と明治の地方官 【『彷書月刊』第2巻第11号、1986】
3 自由民権期の地方官 【『地方自治の窓』第54号、1995】
4 都市と市民 【『地域開発』第416号、1999年5月号】
第6章 初期官僚制から「計画」の時代へ
1 初期官僚制 【『歴史公論』第8巻第3号、1982】
2 明治国家形成期の都市計画――東京市区改正の政治過程 【『歴史公論』第9巻第5号、1983】
3 “水系”と近代日本政治 【『創文』第234号、1983】
補)〈座談会〉「鉄道会議の群像と近代日本の形成」 【『図書新聞』1988年8月13日号】
第7章 日本政治における地方利益論の再検討 【『レヴァイアサン』第2号、1988】
第8章 「百科全書派」の誕生と終焉――田口卯吉の明治 【三谷太一郎他編『言論は日本を動かす ①近代を考える』1986】
第Ⅱ部 明治史を読む――書評編
1 有泉貞夫著『明治政治史の基礎過程――地方政治状況史論』
2 我部政男編『明治十五年 明治十六年 地方巡察使復命書』上・下巻
3 藤森照信著『明治の東京計画』
4 近代日本研究会編『年報・近代日本研究 3――幕末・維新の日本』
5 特許庁編『工業所有権制度百年史』上巻
6 『高橋是清遺稿集』『高橋是清関連文書』
7 升味準之輔著『日本政党史論』全7巻
8 佐藤誠三郎著『「死の跳躍」を越えて』
9 吉田常吉・佐藤誠三郎編『日本思想大系56 幕末政治論集』
【解題】明治史の未発の可能性 前田亮介
わが学問生活の原点たる1980年代――あとがきにかえて
人名索引
【書評・紹介】
●『日本歴史』(2018年7月号)、評者:佐々木雄一氏・首都大学東京助教