政治的一体性と政党間競合――20世紀初頭チェコ政党政治の展開と変容

中根一貴 著
ISBN:978-4-905497-62-2、A5判上製、253頁、本体価格3,900円、2018年刊

チェコ政治に議会制民主主義がいかに定着したかを考察。


【著者中根一貴(なかね・かずたか)
大東文化大学法学部政治学科准教授
1977年、愛知県岡崎市生まれ。東北大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士前期課程修了を経て、2010年東北大学大学院法学研究科博士後期課程修了。博士(法学)。この間、カレル大学ÚJOPと哲学部に留学。東北大学GCOEプログラム「グローバル時代の男女共同参画と多文化共生」、宮城学院女子大学非常勤講師などを経て現職。
専攻は、ヨーロッパ政治史、中東欧地域研究。


 【目次】 
はじめに
 
第1章 チェコ政党政治における統一的な政治行動と政党間競合
 第1節 チェコ政治における多極化と政党政治
 第2節 議会制民主主義の成立と政党・政党間競合
 第3節 分析枠組みと本書の射程
 第4節 小 括
 
第2章 19世紀後半から20世紀初頭までのチェコ諸連邦とチェコ人政党
 第1節 近代チェコ諸領邦における社会・経済・政治
 第2節 チェコ人政党
 第3節 小 括
 
第3章 統一的な政治行動の変遷――20世紀初頭までのチェコ政治
 第1節 老チェコ党による統一的な政治行動
 第2節 指導政党の交代――青年チェコ党による統一的な政治行動の確立
 第3節 青年チェコ党による統一的な政治行動の動揺と多党化現象
 第4節 小 括
 
第4章 20世紀初頭のチェコ政党政治における政党間競合の現出
 第1節 ベック内閣期における統一的な政治行動と政党間競合の兆し 
 (1)1907年帝国議会選挙とチェコ人政党
 (2)チェコクラブの設立と崩壊
 (3)第二次ベック内閣と国民クラブの設立
 (4)小 括
 第2節 ビーネルト内閣期における統一的な政治行動の動揺と政党間競合
 (1)国民クラブの崩壊
 (2)スラヴ同盟と統一的な政治行動の綻び
 (3)1911年帝国議会選挙における「カルテル」の形成
 (4)小 括
 第3節 統一的な政治行動の崩壊と政党間競争の現出
 (1)第三次ガウチュ内閣と統一チェコクラブの再編
 (2)シュトゥルク内閣と統一的な政治行動の崩壊
 (3)チェコ政党政治における議会政治の縮小と政党間競合の現出
 (4)小 括
 
第5章 第一次世界大戦とチェコ政党政治の変容
 第1節 積極派と急進派――開戦と新たな対立軸の生成
 第2節 国民連合・「国民党」構想とその挫折
 第3節 チェコ連盟と国民委員会の設立
 第4節 積極派の黄昏――「5月30日宣言」の作成
 第5節 急進派によるチェコ政党政治再編の試みとその帰結
 第6節 小 括
 
おわりに