サン=シモンとは何者か――科学、産業、そしてヨーロッパ

中嶋洋平 著
ISBN:978-4-905497-71-4、四六判並製、416頁、本体価格4,200円、2018年刊

日米同盟、普天間基地問題、尖閣諸島、北朝鮮、新防衛大綱、PKO、阪神・淡路大震災、オウム真理教事件、情報本部設置……
激動の90年代、当事者の貴重な証言


【著者】 中嶋洋平(なかしま・ようへい)

1980年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程単位取得退学。フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)政治研究系博士課程修了。政治学博士。現在、東洋大学ほか非常勤講師。
専門は、政治思想史・ヨーロッパ統合思想史。
著書・訳書に『ヨーロッパとはどこか――統合思想から読む2000年の歴史』(吉田書店、2015年)、ドミニク・シュナペール『市民の共同体――国民という近代的概念について』(法政大学出版局、2015年)。


【目次】
序章 サン=シモンとは何者か
第1節 問題の所在――サン=シモンが生きた時代と社会の様相
第2節 サン=シモン思想をどのように読み取るか
第3節 思想活動に至るサン=シモンの前半生

第1章 前期思想(一八〇二〜一八一三年):精神的なるものの探究
―ヨーロッパ社会を平和にするための科学―
第1節 ヨーロッパ社会の諸問題を前にして
第2節 自然科学を用いた社会観とそのさらなる理論化
第3節 人類の歩みをめぐる歴史観と現在

第2章 転換点(一八一三〜一八一四年):精神から世俗への移行
―ヨーロッパ社会への具体的提案―
第1節 ヨーロッパ統合ヴィジョンの提案へ向かって
第2節 サン=シモンのヨーロッパ統合ヴィジョン

第3章 後期思想(一八一四〜一八二三年):世俗的なるものの探究
―ヨーロッパ社会を再組織するための産業―
第1節 社会の歩みをめぐる歴史観と現在
第2節 政治は道徳の一帰結であるということ
第3節 産業体制における政治的諸制度

第4章 最後の提題(一八二三〜一八二五年)
―ヨーロッパ社会をめぐる思想家として、改革者として―
第1節 社会主義をめぐる諸問題
第2節 宗教を超える宗教、あるいは新キリスト教

終章 サン=シモンのヨーロッパとその射程
第1節 ヨーロッパ社会という文明の歩みをめぐる歴史観
第2節 ヨーロッパ社会とはどこか、ヨーロッパ人とは誰か



【書評・紹介】
●『社会学評論』第70巻第4号(2020年)、評者:北垣徹氏・西南学院大学教授
●『ふらんす』(2019年4月号) 、評者:杉本隆司氏・明治大学専任講師