私立学校政策の展開と地方財政――私学助成をめぐる政府間関係
小入羽秀敬 著
ISBN:978-4-905497-70‐7、A5判上製、230頁、本体価格:4,300円、2019年刊
国による制度変更は県の私学助成制度に対してどのような影響を与えたのか。1960年代の生徒急増期から2000年代までの国、県の動きを丹念に観察。
【著者】小入羽 秀敬(こにゅうば・ひでゆき)
帝京大学教育学部講師
1979年生。2003年東京大学教育学部卒業、2011年東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学、博士(教育学)(東京大学)。広島大学高等教育研究開発センター研究員、帝京大学教育学部助教を経て2017年より現職。
主要論文等に、「教員の業務負担と学校組織開発に関する分析―部活動に着目して」『国立教育政策研究所紀要』第140集(2011年)、
“Incorporation of National Universities in Japan Under New Public Management”, Shin, Jung Cheol (Ed.), Higher Education Governance in East Asia, Springer, 2018.など。
【目次】
序 章 先行研究の動向と分析枠組み
第1部 私学助成をめぐる制度的検討
第1章 国レベルの私学助成制度
第1節 文部科学省の私学担当部局
第2節 国庫補助金制度の変遷
第3節 私立学校への貸付金
第4節 地方交付税の制度と措置額
第5節 小括5
第2章 県レベルの私学助成制度
第1節 県における私学担当部局
第2節 県による私学助成の予算積算制度と配分制度
第3節 小括
第2部 国による制度変更と県の対応
第3章 生徒急増期が私学助成制度に与えたインパクト
第1節 生徒急増期における国の対応
第2節 都道府県の対応
第3節 事例分析
第4節 小括
第4章 人件費補助の制度化が県私学助成に与えた影響
第1節 国による私学助成政策の転換
第2節 国の制度変化に対する都道府県の対応
第3節 事例分析
第4節 小括
第5章 私立学校振興助成法の成立による国庫補助金の導入
第1節 私立学校振興助成法の成立と国による私学助成制度の変更
第2節 国の制度変化に対する都道府県の対応
第3節 事例分析
第4節 小括
第6章 財政難・生徒減少期の私学助成
第1節 2000年前後の国の動向
第2節 国の制度変化に対する都道府県の対応
第3節 事例分析
第4節 小括
終 章 知見と結論
※第54回日本教育行政学会で学会賞を受賞
【書評・紹介】
●『教育学研究』(第87巻、2020年3月)、評者:浦田広朗氏・桜美林大学
●『教育制度研究』(第26号)、評者:小早川倫美氏・島根大学