ヴィシーの教訓 

ピエール・ビルンボーム 著 大嶋厚 訳
ISBN:978-4-905497-94-3、四六判上製、260頁、本体2,800円、2021年刊


ユダヤ人を両親として、ヴィシー政権下に生まれた社会学者・歴史家が自らの半生を振り返る。
ユダヤ人迫害の歴史と記憶、「強い国家」の理想と現実……


【著者】ピエール・ビルンボーム(Pierre Birnbaum)
1940 年生まれ。専門は政治社会学、フランス近代史。パリ第1 大学(パンテオン=ソルボンヌ)とパリ政治学院で教授を務めながら、ニューヨーク大学やコロンビア大学でも教鞭を執り、現在、パリ第1大学名誉教授。主な著書に、Les Sommets de l’État, Seuil, 1977(1994)〔田口富久治監訳、国広敏文訳『現代フランスの権力エリート』日本経済評論社、1988年〕; Le Peuple et les gros. Histoire d’un mythe, Grasset, 1979(Genèse du populisme. Le peuple et les gros, Pluriel, 2012); Les Fous de la République.Histoire politique des Juifs d’État, de Gambetta à Vichy, Fayard,1992(Seuil, 1994); La France imaginée. Déclin des rêves unitaires ?, Fayard, 1998(Gallimard, 2003); Le Moment antisémite : un tour de la France en 1898, Fayard, 1998(2015); Les Deux maisons. Essai sur la citoyenneté des Juifs( en France et aux États-Unis), Gallimard, 2012 ; La République et le cochon, Seuil, 2013〔村上祐二訳『共和国と豚』吉田書店、2020 年〕 Léon Blum: Prime Minister, Socialist, Zionist( Jewish Lives), Yale University Press, 2015 ; Sur un nouveau moment antisémite, Fayard, 2015 ; Les Désarrois d’un fou de l’État. Entretiens avec Jean Baumgarten et Yves Déloye, Paris, Albin Michel, 2015 などがある。その他,ベルトラン・バディとの共著が、『国家の歴史社会学〔再訂訳版〕』(小山勉、中野裕二訳、吉田書店、2015年)として刊行されている。
 
【訳者】大嶋 厚(おおしま・あつし)
1955 年東京生まれ。翻訳者。上智大学大学院博士前期課程修了。国際交流基金に勤務し、パリ日本文化会館設立などに携わる。訳書に、ミシェル・ヴィノック著『フランスの肖像─歴史・政治・思想』(吉田書店)、同『ミッテラン』(吉田書店)、同『フランス政治危機の100 年』(吉田書店)のほか、ヴァンサン・デュクレール著『ジャン・ジョレス 1859 −1914 』(吉田書店)、ジャン=ルイ・ドナディウー著『黒いナポレオン─ハイチ独立の英雄 トゥサン・ルヴェルチュールの生涯』(えにし書房)、パトリック・ヴェイユ『フランス人とは何か――国籍をめぐる包摂と排除のポリティクス』(共訳、明石書店)。
 
 


【目 次】
序  オメックスへの帰還
Ⅰ  最初の情景
Ⅱ  「フランス国」が私を殺した
Ⅲ  私は「正義の人」に救われた
Ⅳ  大統領、国家と国家の理論
Ⅴ  王との同盟の終わりか?


 【書評・紹介】
『図書新聞』(2021年9月25日号)、評者:南祐三氏・富山大学人文学部准教授
●『週刊読書人』(2021年8月27日号)、評者:三浦信孝氏・中央大学名誉教授
●『公明新聞』(2021年8月30日)、評者:剣持久木氏・静岡県立大学教授