日米の絆――元駐米大使 加藤良三回顧録

加藤良三 著
三好範英(読売新聞編集委員) 聞き手/編
ISBN:978-4-905497-95-0、四六判上製、420頁、本体価格3,200円、2021年刊


「同盟」を生涯賭けて追求した大物外交官の証言。
危機でこそ生きる日米安保の秘密とは――。 
好評を博した読売新聞連載「時代の証言者」を大幅加筆。
 
沖縄返還交渉、外務省機密漏洩事件、日米経済摩擦、基地問題、湾岸戦争、外務省機構改革、アジア外交、9.11、イラク戦争…


【著者】加藤良三(かとう・りょうぞう)
1941年生まれ。東京大学法学部卒。1965年外務省入省。
アジア局長、総合外交政策局長、外務審議官、駐米大使を歴任。2008年退官。三菱商事取締役、日本プロフェッショナル野球組織コミッショナーなどを経て、現在、日米文化教育交流会議(CULCON)委員長。
 
【聞き手・編者】三好範英(みよし・のりひで)
1959年生まれ。東京大学教養学部相関社会科学分科卒。1982年読売新聞入社。
バンコク、プノンペン、ベルリンの各特派員を経て編集委員。米ハーバード大日米関係プログラム修了。著書に『ドイツリスク』(光文社、山本七平賞特別賞)、『本音化するヨーロッパ』(幻冬舎)など。


【目 次】
第一章 漠然とした外国への憧れ
末っ子としてのんびりと(生い立ちと高校時代)
大リーグへの憧れ(大学時代)

第二章 外交官人生の始まり
国際法の最先端を学ぶ(入省からアメリカ研修時代)
そのままアメリカ勤務に(在米大使館書記官時代)
沖縄返還の実務に携わる(アメリカ局北米第一課事務官時代)
外務省機密漏洩事件の渦中に
肩代わりは密約だったのか
外務省の機能強化(大臣官房総務参事官室首席事務官時代)
生涯唯一の経済担当(在オーストラリア大使館書記官時代)

第三章 安保の世界に踏みだす
中東で安全保障感覚を養う(在エジプト大使館書記官時代)
日米安保深化に心血を注ぐ(北米局安全保障課長時代)
基地騒音の厳しい現実
核軍縮に独自案(条約局条約課長時代)

第四章 日米摩擦のただなかに
対米交渉の前線(在米大使館参事官、公使時代)
冷戦崩壊のドラマを追いかける

第五章 冷戦崩壊後の苦闘
湾岸戦争で人的貢献できず(大臣官房総務課長時代)
機構改革に取り組む
運輸省と共に航空交渉(北米局審議官時代)
日系人と両陛下御訪米(サンフランシスコ総領事時代)

第六章 アジア外交に挑む
対中、対韓外交に腐心(アジア局長時代)
ペリー・プロセスと国連改革(総合外交政策局長時代)
首相を支える(外務審議官時代)

第七章 日本を背負って
大使としてアメリカに赴く
九・一一からアフガン、イラク戦争へ
湾岸戦争を教訓にイラク戦争に対処

第八章 外交と野球
プロ野球コミッショナーに

第九章 外交官生活を振りかえって
 
編者あとがき

加藤良三略年譜


 【書評・紹介】
『外交』(第70号、2021年11/12月号)、評者:大庭三枝氏(神奈川大学教授)
●『読売新聞』(2021年11月14日)、評者:国分良成氏(国際政治学者、前防衛大学校長)
●『産経新聞』(2021年9月12日)、評者:阿川尚之氏(慶応大学名誉教授)
『週刊読書人』(2021年10月29日号)、評者:伊高浩昭氏(ジャーナリスト)