議員外交の世紀――列国議会同盟と近現代日本

伊東かおり著
ISBN:978-4-910590-02-8、A5判上製、280頁、本体価格4,000円、2022年刊


【著者】

伊東 かおり(いとう・かおり)
1986年、大分県生まれ。2017年、九州大学大学院人文科学府歴史空間論博士後期課程単位修得退学。柳川市嘱託職員などを経て、現在、広島大学文書館助教、博士(文学)。
〔主要業績〕
「第一次世界大戦前における議員外交の萌芽と帝国議会――列国議会同盟(IPU)日本議員団に関する基礎研究」(『九州史学』173号、2016年6月)、「戦間期の列国議会同盟と日本――中村嘉寿の活動を中心に」(『国際政治』193号、2018年9月)、「第一次大戦前後における列国議会同盟(IPU)と国際平和主義団体――日本議員団再組織をめぐる宮岡恒次郎の活動を中心に」(『史学雑誌』128巻10号、2019年11月)など。
 


【目次】

序 論
第一章 第一次大戦前における議員外交の萌芽とIPUへの加盟
第一節 IPUへの参加経緯
第二節 草創期の日本議員団
第三節 第一次排日土地法の成立と日米部会の創設
小 括
第二章 第一次大戦前後におけるIPUと国際平和主義団体
第一節 「非公式」ルート形成の背景と要因 
第二節 「非公式」ルートの形成
第三節 日本議員団の再組織と貴族院加盟問題
小 括
第三章 戦間期における帝国議会と国際議員組織
第一節 万国議院商事会議の創設と日本の加盟
第二節 戦間期IPUの組織とその活動
第三節 代表団の派遣プロセス
第四節 IPU総会での日本代表団
小 括
第四章 「外国通」議員、中村嘉寿の活動と日系移民の選挙運動
第一節 「外国通」議員、中村嘉寿の誕生とその背景 
第二節 「外国通」議員としての活動とIPU
第三節 「外国通」議員の選挙戦
小 括
第五章 国際協調体制の動揺期におけるIPUと日本議員団
第一節 連盟離脱の緊張と、融和の模索
第二節 「議会主義の危機」の中のIPUと日本議員団
第三節 幻の一九四〇年東京総会と第二次世界大戦の勃発
小 括
第六章 冷戦下のIPUと日本
第一節 IPUの再始動と日本の復帰
第二節 核軍縮問題をめぐる日本議員団の対応と東京総会の開催
第三節 IPUにおける福永健司の活動
結 語
あとがき
主要人名索引


【書評・紹介】
『日本歴史』第908号(2024年1月号)、評者:樋口真魚氏(成蹊大学文学部准教授)
●『読売新聞』(2022年5月15日)、評者:井上正也氏(慶應義塾大学教授)
『レコード・マネジメント』(記録管理学会)第83号(2022年11月)、評者:服部聡氏(大阪大学非常勤講師)