戦後日本の学知と想像力――〈政治学を読み破った〉先に
前田亮介編
ISBN:978-4-910590-03-5、四六判並製、448頁、本体価格3,200円、2022年刊
東京大学駒場「御厨ゼミ」に参加した経歴を持つ17名の若手研究者が多彩に論じ合う!
政治学・歴史学・法史学・哲学・文学・社会学・物理学……。
「本書は、戦後日本における学知と想像力が「政治」をはじめとする人間世界の秩序をどのように構想し、方向づけたのか、それぞれの多様な展開のありように光をあてることを課題としている」(「序」より)
【編者・執筆者】
前田 亮介(まえだ・りょうすけ)*編者 1985年生まれ。北海道大学大学院法学研究科准教授
越智 秀明(おち・ひであき)1990年生まれ。國學院大學兼任講師
藤川 直樹(ふじかわ・なおき)1987年生まれ。神戸学院大学法学部准教授
村木 数鷹(むらき・かずたか)1994年生まれ。ピサ高等師範学校・ローマ第三大学客員研究員(東京大学大学院法学政治学研究科博士課程在籍)
白石 直人(しらいし・なおと)1989年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授
澤井 勇海(さわい・いさみ)1991年生まれ。日本学術振興会特別研究員(CPD)、ハーバード大学ウェザーヘッド国際問題研究所客員研究員
佐藤 信(さとう・しん)1988年生まれ。東京都立大学法学部准教授
佐々木 雄一(ささき・ゆういち)1987年生まれ。明治学院大学法学部准教授
川口 航史(かわぐち・ひろふみ)1986年生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)
森川 想(もりかわ・そう)1986年生まれ。東京大学大学院工学系研究科講師
斎藤 幸平(さいとう・こうへい)1987年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科准教授
川口 喬吾(かわぐち・きょうご)1987年生まれ。理化学研究所開拓研究本部・生命機能科学研究センター理研白眉研究チームリーダー
川野 芽生(かわの・めぐみ)1991年生まれ。法政大学・明星大学兼任講師(東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍)
品治 佑吉(ほんぢ・ゆうきち)1985年生まれ。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科助教
熊谷 英人(くまがい・ひでと)1984年生まれ。明治学院大学法学部准教授
上村 剛(かみむら・つよし)1988年生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)
岡田 拓也(おかだ・たくや)大東文化大学法学部准教授
【目次】
序(前田亮介)
第Ⅰ部 分断の時代における知識人と歴史意識――様々なる「模範国」?
合衆国の「危機」と「革命」――一九六〇年代の坂本義和【 前田亮介】
自由主義者勝田吉太郎による民主主義批判――戦後保守思想の一起源としての近代ロシア【越智秀明】
「家長個人主義」と「ポストモダン」の間――村上淳一のドイツ法研究 【藤川直樹】
岡義武とマキャヴェッリ――現代版『君主論』の彼方へ【村木数鷹】
物理学からの/における問い① 理論物理学は何を考えるか――歴史学・政治学との比較を交えつつ 【白石直人】
第Ⅱ部 戦後日本政治論をふりかえる――政治の未来を構想するために
岡義達 行動論・象徴論から演技論へ 【澤井勇海】
「一九五五年体制」再考【佐藤 信】
一九九〇年代日本におけるリーダーシップ待望論の諸相――小沢一郎と佐々木毅 【佐々木雄一】
「失われた二〇年」の日本政治研究――困難と希望 【川口航史】
市民社会の構造的変異と政策過程――人口減少局面を迎えて 【森川 想】
現代日本の借金論を論じる前に――神話・奴隷・負債 【斎藤幸平】
物理学からの/における問い② 生物学と物理学のひびわれ――寺田寅彦の長い影 【川口喬吾】
第Ⅲ部 実存・カテゴリー・ことば――紐帯/桎梏としての「戦後」
戦後日本の児童文学――「中つ国」はどこにあるか? 【川野芽生】
戦後日本の読書と人生――書物、孤独、回想 【品治佑吉】
ソクラテスと近代日本の教養主義 【熊谷英人】
ギリシアが始まり(アルケー)であるということ 【上村 剛】
来栖三郎のフィクション論――学問の専門分化の功罪に触れながら 【岡田拓也】
【書評・紹介】
●『読売新聞』(2022年6月19日)、評者:苅部直氏・東京大学教授