公正の遍歴――近代日本の地域と国家
佐藤健太郎・荻山正浩 編著
ISBN:978-4-910590-05-9、四六判上製、568頁、本体価格:4,800円、2022年刊
人々は何を公正なものと捉え、その実現のために行動してきたのか――
日本の近代化の過程に目を向け、地域と国家の視点から分析。
11名の歴史研究者による論集。「公共の理念」「あるべき処遇への叫び」「政治への参加」「民意のゆくえ」の4部構成。
【編者・執筆者】
佐藤健太郎(さとう けんたろう)[編者]千葉大学大学院社会科学研究院准教授
荻山正浩(おぎやま まさひろ)[編者]千葉大学大学院社会科学研究院教授
中西啓太(なかにし けいた)愛知県立大学日本文化学部准教授
加藤祐介(かとう ゆうすけ)北海学園大学法学部講師
冨江直子(とみえ なおこ)茨城大学人文社会科学部准教授
青木健(あおき たけし)成城大学経済学部准教授
尾原宏之(おはら ひろゆき)甲南大学法学部教授
今野裕子(こんの ゆうこ)亜細亜大学国際関係学部講師
井上直子(いのうえ なおこ)足利大学ほか非常勤講師
池田真歩(いけだ まほ)北海学園大学法学部准教授
出口雄大(でぐち ゆうだい)横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授
【目次】
序論――遍歴する公正のあゆみ【荻山正浩・佐藤健太郎】
第Ⅰ部 公共の理念
第1章 「府県財政」形成期における近世的資金運用の処理の分析――群馬県における市川左近「上納金」整理と所有権【中西啓太】
第2章 大正後期における御料地処分政策の体系化【加藤祐介】
第3章 救貧のなかの「公正」――大阪府方面委員の救貧実践にみる「必要」をめぐる政治【冨江直子】
第Ⅱ部 あるべき処遇への叫び
第4章 明治末期の中等林業学校からの人材輩出と地域――開校初期の木曾山林学校の校友会報の分析を手掛かりに【青木 健】
第5章 帝国大学法科卒業生の「特権」廃止問題と「公正」【尾原宏之】
第6章 日本人の「密航」――一九二四年移民法と南カリフォルニア漁業【今野裕子】
第Ⅲ部 政治への参加
第7章 男子普選下女性の参加領域拡大をめぐる公正性――石川県の事例から【井上直子】
第8章 村長と反政党――全国町村長会長・福沢泰江の「地方自治政擁護運動」【池田真歩】
第9章 選挙粛正運動の本義――知識階級と議会制【佐藤健太郎】
第Ⅳ部 民意のゆくえ
第10章 旧都市計画法第一三条による土地区画整理事業と地域社会――室戸台風を事例として【出口雄大】
第11章 分権的国家体制と公正な資源開発――地域から問う戦前と戦後の河川の電源開発【荻山正浩】
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正誤表『公正の遍歴』.pdf
【書評・紹介】
●『都市問題』(2022年12月号)、新刊紹介コーナー