石井菊次郎――戦争の時代を駆け抜けた外交官の生涯

渡邉公太 著
ISBN:978-4-910590-08-0、四六判上製、340頁、本体価格:3,200円、2023年1月刊


明治後期から昭和初期にかけて外交の最前線にあり続け、帝国日本の発展と崩壊を体現した外交官の足跡
日本外交の近代化を目指し、何と格闘したのか……


【著者】渡邉公太(わたなべ・こうた)
帝京大学文学部専任講師 博士(政治学)
1984年、京都府生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業後、2014年、神戸大学大学院法学研究科博士後期課程修了。
日本学術振興会特別研究員(DC2)、ワシントン大学ジャクソン・スクール客員研究員、(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構研究員、帝京大学文学部助教などを経て現職。専門は日本政治外交史。
著書に、『第一次世界大戦期日本の戦時外交――石井菊次郎とその周辺』(現代図書)、『昭和史講義』『大正史講義』(以上、共著、ちくま新書)、『大震災復興過程の政策比較分析』(共著、ミネルヴァ書房)などがある。


 【主要目次】 
第1章 千葉の庄屋から世界の舞台へ
 第一節 立身
 第二節 外務省入省

第2章 帝国日本の台頭
 第一節 日清戦争後の東アジア情勢
 第二節 北清事変との遭遇
 第三節 日露対立と小村外交
 第四節 日米協調の試み

第3章 第一次世界大戦期の外交 Ⅰ――連合国との協調の模索
 第一節 対独参戦と連合国との関係強化
 第二節 連合国間関係の強化
 第三節 革命中国への対応
 第四節 日露同盟問題

第4章 第一次世界大戦期の外交 Ⅱ――新外交への対応
 第一節 政権交代とロシア革命の衝撃
 第二節 石井特使の対米交渉
 第三節 新外交と戦後秩序

第5章 国際連盟での活動
 第一節 国際連盟の始動
 第二節 「新欧羅巴」の紛争処理
 第三節 法の下の平和

第6章 軍縮と平和
 第一節 国際的軍備制限
 第二節 ジュネーヴ海軍軍縮会議
 第三節 不戦条約

第7章 満洲事変前後
 第一節 「啓蒙家」としての活動
 第二節 満洲事変と瓦解する国際協調
 第三節 ロンドン国際経済会議における対英米交渉

第8章 帝国日本の終焉
 第一節 連盟脱退後の国際協調の模索
 第二節 支那事変から大東亜戦争へ


【書評・紹介】
●『史学雑誌』(第133編第2号、2024年2月)、評者:佐々木雄一氏
●『渋沢研究』(第36号、2024年2月)、評者:帶谷俊輔氏(成蹊大学准教授)
●『国際安全保障』(第51巻第3号、2023年12月)、評者:藤田俊氏(北九州市立大学准教授)
●『戦略研究』(戦略研究学会)第33号(2023年10月)、評者:戸部良一氏(防衛大学校名誉教授)
『図書新聞』(2023年6月3日号)、評者:湯浅拓也氏(大阪産業大学国際学部講師)
『東京新聞』(2023年4月1日)