三木武夫と戦後政治
竹内 桂 著
ISBN:978-4-910590-09-7、A5判上製、784頁、本体価格:8,000円、2023年2月10日刊
政治の現実と理想の狭間で権力を追い求めた三木武夫――
「バルカン政治家」「保守傍流」「クリーン三木」「議会の子」の異名をとり、戦後の日本政治の中心にあり続けた保守政治家の生涯を丹念にたどる。
【著者】
竹内 桂(たけうち けい)
1973年石川県生まれ。明治大学大学院政治経済学研究科博士後期課程修了。博士(政治学)明治大学政治経済学部兼任講師・神田外語大学外国語学部非常勤講師主な業績に、『三木武夫秘書備忘録』(編、吉田書店、2020年)、『戦後日本政治の変遷』(共著、北樹出版、2020年)、『井出一太郎回顧録』(共編、吉田書店、2018年)、『三木武夫秘書回顧録』(編、吉田書店、2017年)、『戦後日本首相の外交思想』(共著、ミネルヴァ書房、2016年)がある。
【主要目次】
第Ⅰ部 戦前・戦時期(一九〇七~一九四五年)
第一章 代議士以前
第一節 幼少年期
第二節 明治大学時代
第二章 少壮議員
第一節 第二〇回衆議院総議員選挙への出馬と当選(一九三七年四月)
第二節 衆議院議員一期目の活動
第三節 翼賛選挙における当選(一九四二年四月)
第四節 敗戦までの動き
第Ⅱ部 「バルカン政治家」の台頭(一九四五~一九五五年)
第三章 政党政治家としての出発――協同民主党から国民協同党へ
第一節 第二二回衆議院議員総選挙(一九四六年四月)
第二節 新党構想の挫折と協同民主党入党
第三節 協同民主党と新政会の合同をめぐる動き
第四節 野党三派協議会の結成と連立工作への対応
第五節 国民協同党の結成(一九四七年三月)
第四章 中道政権期――政界における台頭
第一節 片山内閣の成立と逓信大臣就任(一九四七年五月)
第二節 労働運動への対応
第三節 片山内閣期の新党問題
第四節 芦田内閣の成立(一九四八年二月)
第五節 中央政治連盟の提唱
第六節 芦田内閣総辞職と三木首班問題(一九四八年一〇月)
第五章 第二保守党期――保守政治家への道
第一節 国民民主党時代
第二節 改進党時代
第三節 鳩山内閣期
第Ⅲ部 派閥政治の展開(一九五六~一九七二年)
第六章 石橋湛山内閣期
第一節 総裁公選の実施と石橋内閣の成立(一九五六年一二月)
第二節 幹事長就任
第三節 石橋内閣総辞職と「石橋書簡」(一九五七年二月)
第七章 岸信介内閣期――安保改定への対応
第一節 岸内閣の成立(一九五七年二月)
第二節 三閣僚辞任問題(一九五八年一二月)
第三節 政権禅譲の念書(一九五九年一月)――総裁選の繰り上げ実施
第四節 内閣改造(一九五九年七月)
第五節 海外視察(一九五九年七~一〇月)
第六節 安保改定問題と自民党離党の断念
第八章 池田勇人内閣期――高度経済成長と党近代化の推進
第一節 池田内閣の成立(一九六〇年七月)
第二節 科学技術庁長官・原子力委員長就任(一九六一年七月)
第三節 池田再選(一九六二年七月)
第四節 組織調査会長就任と「三木答申」
第五節 政調会長就任(一九六三年七月)
第六節 池田三選(一九六四年七月)
第七節 池田内閣総辞職(一九六四年一一月)
第九章 佐藤榮作内閣期――長期政権の主流派から非主流派へ
第一節 佐藤内閣の成立(一九六四年一一月)
第二節 通産大臣就任(一九六五年六月)
第三節 「アジア太平洋圏構想」の提唱
第四節 三木外交の展開
第五節 沖縄・小笠原返還交渉
第六節 総裁選出馬(一九六八年一一月)
第七節 非主流派時代
第八節 中国問題への対応と中国訪問(一九七二年四月)
第Ⅳ部 「三角大福中」の時代(一九七二~一九八八年)
第一〇章 田中角榮内閣期――副総理としての役割
第一節 田中内閣の成立(一九七二年七月)
第二節 副総理就任(一九七二年八月)
第三節 環境庁長官就任
第四節 中東特使(一九七三年一二月)
第五節 「阿波戦争」
第六節 副総理辞任と党近代化への取り組み
第一一章 三木武夫内閣期――椎名裁定と政権運営
第一節 椎名裁定(一九七四年一二月)
第二節 党役員人事と閣僚人事
第三節 内政政策の展開
第四節 外交政策の展開
第一二章 「三木おろし」の政治過程
第一節 ロッキード事件の発覚
第二節 第一次三木おろし
第三節 第二次三木おろし
第四節 三木内閣総辞職
第一三章 福田赳夫・大平正芳内閣期――派閥の領袖の終期
第一節 総裁公選規程の改正(一九七七年四月)
第二節 河本敏夫の総裁選出馬(一九七八年一一月)
第三節 大平内閣の成立(一九七八年一二月)
第四節 「国会議員の選挙浄化に関する特別措置法案要綱」の提案
第五節 四〇日抗争(一九七九年一〇月~一一月)
第六節 ハプニング解散(一九八〇年五月)
第一四章 晩年
第一節 三木派の解散と鈴木善幸の総裁就任
第二節 外交・安全保障への見解
第三節 ロッキード判決(一九八二年六月)
第四節 鈴木首相の辞任と中曾根康弘総裁の誕生
第五節 田中判決(一九八三年一〇月)
第六節 国際軍縮促進議員連盟会長への就任
第七節 最後の政治倫理私案
第八節 議員在職五〇年と死去
▼正誤表のご案内
『三木武夫と戦後政治』正誤表.pdf
【書評・紹介】
●『選挙研究』第40巻第1号(2024年9月)、評者:吉田龍太郎氏
●『日本歴史』(2024年4月号)、評者:服部龍二氏(中央大学教授)
●『読売新聞』(2023年5月7日)、評者:井上正也氏(慶応大学教授)