EU共通航空政策の軌跡と変容――域内市場統合から域外進出へ
河越真帆 著
ISBN:978-4-910590-11-0、A5判上製、272頁、本体価格:4,200円、2023年3月刊
EUにおいて、共通航空市場はいかに完成されたのか。グローバルな市場で、EUは存在感を高めていったのか。
アクターとしてのEU、各加盟国、さらには米国などの動きを詳細に追う……
【著者】
河越 真帆(かわごえ・まほ)
神田外語大学グローバル・リベラルアーツ学部准教授1966年生まれ。LSE(London School of Economics and Political Science)修士課程とパリ政治学院(Institut d’Étude Politique de Paris)博士課程を経て、2006年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。
主要著作に、「EU と ASEAN における航空自由化―― LCC の発展要因の視点から」(『グローバル・コミュニケーション研究』第 3 号、2016 年)、「EU から見たヨーロッパ――二つの側面から考える」(『グローバル・コミュニケーション研究』第 7 号、2019年)、共訳書に、モーリス・ヴァイス著(細谷雄一/宮下雄一郎監訳)『戦後国際関係史――二極化世界から混迷の時代へ』(慶應義塾大学出版会、2018年)。
【目次】
序 章
第Ⅰ部 EC/EUの共通航空政策決定過程
第1章 欧州の航空輸送
はじめに
第1節 第二次世界大戦後の欧州の航空をめぐる国際体制
第2節 航空協定
第3節 欧州航空市場とその特質
小 括
第2章 EC航空パッケージⅠの政策決定過程(1978-1987年)
はじめに
第1節 欧州民間航空史概略およびEC航空政策決定方式
第2節 パッケージⅠの政策決定過程(1978-1987年)
第3節 制度形成における欧州委員会の役割
小 括
第3章 EC航空パッケージⅡおよびⅢの政策決定過程(1988-1992年)
はじめに
第1節 パッケージⅡの政策決定過程
第2節 パッケージⅢ導入の政策決定過程
第3節 パッケージⅢの特質とイシューごとの問題点
小 括
第4章 フランスの航空政策と1980年代の経済政策の転向
はじめに
第1節 フランスの航空政策の概略――国営航空会社エールフランスの誕生
第2節 フランスの経済政策の転向――国有化から民営化政策へ
第3節 第一次民営化(1986-1988年)
第4節 第二次民営化(1993-1995年)
小 括
第5章 フランス政府からエールフランスへの国家援助をめぐる問題
はじめに
第1節 国家援助の位置づけとエールフランスの事例
第2節 航空産業への国家援助をめぐる考察
小 括
第6章 オルリー空港開放問題
はじめに
第1節 フランス航空市場自由化の背景
第2節 オルリー空港開放へ
小 括
第Ⅱ部 EU航空市場統合の対外的インパクトの検討
第7章 EUと米国のオープンスカイ協定締結の事例
はじめに
第1節 EU航空市場統合と規制力
第2節 EUの規制力の対外進出
小 括
第8章 国際航空の排出量規制の事例
はじめに
第1節 グローバル・レベルでの取り組み――ICAOでの経済的手法の進展
第2節 リージョナル・レベルでの取り組み――EU-ETSの航空部門への適用
第3節 EU域外諸国の反発
第4節 ICAOでの決着
小 括
終 章
【書評・紹介】
●『運輸政策研究』82号(2024年)、評者:小島克巳氏(文教大学教授)